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前回の記事でご紹介した新型「マツダ ロードスター」のグレード展開の中から、短い時間であるが主力モデル「Special Package」の6速MT仕様と6速AT仕様に試乗させていただいたので、記者の感じた印象をお伝えしよう。後ほど、皆さんもよくご存じの自動車評論家の方々による試乗記を掲載する予定なので、その"つなぎ"としてお読みいただければ幸いだ。
すでにルーフとサイドウィンドウが開いている状態だったため一層軽く感じられるドアを開け、低いシートに腰を下ろす。そこでまず印象深かったのは開放感だった。オープンなのだから当たり前、と思われるかも知れないが、先代ロードスターをはじめ、英国のMGなどもそうなのだが、多くの小型オープン2シーター・スポーツカーの運転席は、狭い穴蔵に潜り込むような気分に近い。低い着座位置から高く感じるドアを閉めると、小さな室内の中でやたらと幅を取るセンタートンネルとの間に挟まれるように身体を収め、穴蔵から顔を覗かすように、直立したウインドスクリーン越しに前方を、そして首を回して遮るものがない天空を仰ぎ見る。ケータハム セブンのような"ネイキッド"を別にすれば、小型オープン・スポーツカーのコクピットはむしろ閉塞的で、開放感を感じるのは首から上、ちょうど露天風呂に浸かったときに湯船から出ている部分だけである。肩のすぐ横にあるドアの存在で、外界から身を守られるように感じるのが、少なくとも1960年頃以降のスタイルではないかと思う。NC型マツダ ロードスターもその流儀に沿っていた。
だが、新型となるND型ロードスターは、低い座面と絶対的な横方向のスペースの制限にも拘わらず、はるかに開放感が増している。その理由の1つが、ドアの内側上部に貼られたボディ同色のパネルの存在だ。これが視覚的にクルマの内と外の境界を曖昧にした。ちょうど同じ露天風呂でも、板で作られた浴槽に浸かるより、岩風呂の方が開放感があるのと同じだ。また、着座位置は先代より低くなっているはずなのに、前方視界が良いことに気付く。これはAピラーが後方に位置し、ボンネットが低くなったためらしい。もう1つ触れたいのはそのボンネットのことだ。これまでのロードスターは、FFの小型ハッチバックあたりから乗り換えると、明らかに長いはずのノーズが低い着座位置からまったく見えないことに心理的ストレスを感じることもあったように思う。だがND型ロードスターには、デザイナーがフロント・フェンダーに明確な"峰"を与えた。コクピットからこれが見えることにより、心理的な落ち着きが得られるのだ。実際に走り始めればなおのこと、車両感覚が掴みやすく、歴代で最もワイドな車幅も決して大きく感じない。




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【試乗記】新型「マツダ ロードスター」 全てが自然で爽快な、これぞ"ザ・ロードスター" originally appeared on Autoblog Japan on Sun, 22 Mar 2015 07:35:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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